人には言えない悩みの正体

誰しも言えない悩みを抱えている

ずっと心がもやもやする、多人数になるとなじめない、すぐにイライラしてしまう、恋人といつも同じ理由で別れてしまう、人に頼れない、なんとなくいつも不安がある、夫婦関係が悪い、人に合わせてばかりで嫌になる、定期的に人間関係をリセットしたくなる。

 

他人から見たら些細なことでも、本人の中では大きな悩みの種。

 

大小はあっても、誰しもそのような悩みを抱えています。

 

しかし誰かに相談しても、

「それはしょうがないよね」

「我慢するしかないよね」

「社会ってそういうものだからね」

など、解決できずに心がずっともやもや。

 

そんなことで悩んじゃいけないのかな、と思いつつ、いつも頭の片隅にあってふとした時に考えてしまっていませんか?

 

SNSが発達し、他人のいいところや自分が持っていないところばかりが目に入るようになってそのような傾向が年々強くなっています。

 

そうして毎日会ったこともない誰かと比較して、自分のダメなところばかり気にしてしまっている人がたくさんいます。

 

比較してもしょうがないと頭ではわかっているのに、なぜ私たちはすぐに比較してしまい悩んでしまうのでしょう。

 

なぜ人は悩むのか

私たちが悩んでしまう理由はいくつかあります。

1つは資本主義によって生まれた「働かなければ生きていけない」社会構造。

1つはSNSによって生まれた「他人の良いところばかりが目に付く」ITの発展とAI化。

1つは貧富の拡大による「大多数の貧困層が富裕層を支えている」格差社会。

 

他にも挙げればきりがないほど、社会や科学技術の発展、構造的な問題によって悩みが生まれやすい環境になってしまっていることは確かだと思います。

 

ですが、だからこそ、

株式会社synでは、「悩みを作り出している」心そのものに着目しています。

 

そもそもいくら資本主義だからとは言え、自給自足の生活をして働かなくても幸せになっている人はいるし、SNSなんて見なくても周りの人たちと幸せに暮らしている人もたくさんいるし、貧しくても楽しく生活している人もたくさんいます。

 

それは何を意味しているのでしょうか。

どんな事実にも良い悪いはなく、いつもあなたの「心」が、その事実の良い悪いを「解釈」しているのです。

 

そう考えたとき、なぜ私たちの心は「悩みを生み出してしまう」のか、という疑問が生まれてきます。

 

それを解くヒントは、過去の自分にあるのです。

少し専門的になりますが、説明してみたいと思います。

 

悩みを生み出す心の構造

私たちの心は、いつも意識できている表層心理と、自分では自覚できない深層心理があります。

表層心理は心全体の5%以下、深層心理が95%以上を占めていると言われています。

 

つまり私たちは自分の心を5%も自覚できていないのです。

 

なぜ私たちは自分の心のはずなのにこんなにも自覚できない領域が大きいのでしょうか。

明確な答えはわかっていませんが、覚えていること、自覚できていることで「不都合」があると考えてみると色々なことが見えてきます。

 

つまり、私たちには「覚えていてはいけない記憶」がたくさん存在している、ということです。

 

それはトラウマと呼ばれるような出来事も含み、家庭不和や家族にされた理不尽な出来事も含みます。

このような出来事を本人は当然覚えていない(覚えていると心が耐えられないから忘れる)のですが、心ははっきりと覚えています。

 

そうして覚えていてはいけない記憶は深層心理の奥底に閉じ込めて絶対に思い出せないようにしてしまいます。

これを専門用語で「抑圧」と言います。

 

抑圧された想いは心の奥底に追いやられ、本人も思い出せなくなるのですが、無意識的に「相手を変えて同じことを繰り返そう」としてしまうのです。

 

例えば父親がすごく怖くていつも顔色を伺って幼少期を過ごしてきた人は、具体的にどんなことで怒られたかは思い出せなくても、相手を変えて「怖い男性」を作り出していることが多いのです。

高校時代には部活の顧問が怖い人で、社会人になったら上司が怖い人で(パワハラを受けることも多い)、結婚したら旦那もまた自分に恐怖を与える人だった、などということが実際に何件もありました。

 

同じ怖い父親を持つ家庭で育ち、
「母親が自分を守ってくれなかった」
と感じていた子どもは、

どうせ誰も助けてくれないのだから、私は一人で全てやらないといけない、といつも自分を追い込んでしまっているケースも少なくありません。

 

このように、自分では気づかないところで相手を変えながら何度も幼少期の経験を繰り返してしまうのです。

 

そしてその「悩み」の原因が自分の家族との関係性にあることは、ほとんどの場合自覚できません。

 

先ほどの父親の例で言えば、怖い父親のことを「表層心理」では嫌いだと思っているのにも関わらず、「深層心理」では好きだと思っている可能性が高く、それは父親に対する行動や事実をみていくとわかります。

 

例えば、父のことは怖くて嫌いだったと言っていても、
・休日は遊んでくれなかった

・年に1回くらいの旅行は楽しかった

・勉強家だけど生活がだらしなくて、いつも私が片づけをさせられてた

このように感じている方がいたとします。

 

それぞれの意味を考えてみましょう。

 

休日は遊んでくれなかった。

⇒遊んでほしいという想いの裏返し

 

年に1回くらいの旅行は楽しかった

⇒旅行に行きたい、遊んでもらえることが嬉しいという想い

 

勉強家だけど生活がだらしなくて、いつも私が片づけをさせられてた

⇒勉強家という部分を尊敬している、片づけをして父親に奉仕している

 

このようにみていくと、すべてが「好き」という想いからきている行動や発言であると推測できます。

 

もし本当に嫌いなら、休日も遊んでほしくなんかないはずですし、

旅行なんてもっと行きたくないでしょうし、

嫌いな父の片づけなんて死んでもしたくないはずです。

 

このように、表層心理では嫌いだと思っていても、深層心理で好きだと思っている場合、無意識にそのような男性を彼氏や旦那にして、そして父親の嫌いな部分を探して同じように苦しんでいることが多いです。

 

これが深層心理的に言えば「好きな父親」に似た人と一緒になろうとしている、と解釈するのです。

 

もちろん本人からすれば、「絶対にそんなわけない」と思うのですが。

この、表層心理と深層心理の矛盾が、「本人も自覚できない嘘」をつかせることになり、悩みの根本原因となります。

 

心の矛盾が無自覚の嘘をつく

 

表層心理と深層心理が矛盾している人は、事実と想いとが矛盾しています。

 

・本当はこんなことしたくないのに(事実はしてる)

・あんな人大嫌い(でも一緒に住んでる)

・あの人と一緒にいたいのに(でも一緒に住むことはない)

・両親となんて一緒にいたくない(ずっと実家暮らし)

・父親のすぐキレるところが嫌い(旦那も似ていてすぐキレるのが怖い)

 

これらは実際のクライアントの方々が相談してきた内容です。

(個人情報保護のため一部改変しています)

 

わかりやすく言えば、小学生の男の子が好きな女の子に意地悪するようなものです。

(本当は好きなのに、嫌いなふりをしている)

 

ただ、深層心理の場合はその本人が自覚できないところが一番難しいところなのです。

 

そして多くの場合、他人から指摘されると反発心が生まれます。

「絶対そんなわけない」

「お金がなかったから」

「時間がなかったから」

「社会的に離婚なんてできないと思ってる」

 

あらゆる理由を作って事実との矛盾を『正当化』しようとします。

 

ですが深層心理から嫌いと思っている人なら一緒に暮らしているわけないし、お金がなくてもなんとかお金を作る行動をしてそのやりたいことのために全力を注ぎます。

 

それが心の底から『思っている』ということです。

 

事実と矛盾した行動をとっているとき、私たちは全員、

表層心理と深層心理が矛盾しています。

 

そしてそれこそが、あなたの悩みを生み出す原因そのものなのです。

 

嘘をつく理由

なぜ私たちはこんなにも『無自覚』の嘘をついてしまうのでしょうか。

 

一言で言えば、自分の心を守るため、です。

私たちの心はそんなに強くありません。

特に幼少期は家族がいなければ一人では生きていけないことも知っています。

 

だから父親に怒鳴られたことも、母親に無視されたことも、子どもは全部「自分のせい」だと思ってしまいます。そしてそんな両親だとしてもなんとか愛してもらおうとするのです。

 

このように幼少期にショックだった出来事は自分にとっては生死に関わるような出来事だったと認識しているため、覚えていると心がもたないのです。

だから深層心理の中に押し殺し、表層心理には出てこないように抑圧してしまいます。

 

こうして『自分の心を守るために隠した想い』に自分自身が気づかないように、表層心理は存在しているのです。

 

だから私たちはたくさん無自覚の嘘をついてしまいます。

 

それで悩みが生まれるのですが、表層心理はいつでも私たちの心を守ろうとしていることもまた1つの事実なのです。

 

寄り添わないメンタルトレーニングでは、あらゆる無自覚の嘘を見抜き、そこに存在する守ろうとしている深層心理を明らかにしていきます。

 

自分がどんな深層心理を持ち、それを隠すためにどんな嘘をついているのか。

それが明らかになったとき、最初はショックを受けるかもしれませんし、落ち込むかもしれません。

 

ですが一度その段階を経ないことには、上に上がっていくことはできません。

東洋医学で言うところの、『陰極まりて陽となる』です。

 

「あぁ、私は自分にたくさんの嘘をついてきたんだな。。。」

「あぁ、全部自分で悩みを作ってたんだな。。。」

と一度『陰極まる』ことが陰と陽が反転するために必要なことなのです。

 

これまで我々のセッションを受けてくれた人たちの中には、

「会社のカウンセリングを受けたんですが変わらなくて、、」

「有名な人のメンタルトレーニングを受けたけど料金が高いだけで変わらなくて、、」

「様々なスピリチュアル系のセミナーに行ったけど変わらなくて、、」

というような人が多数訪れており、皆さん効果を実感してくれています。

他にもアファメーション、引き寄せの法則、心理療法を受けたが変わらなかったという方々も寄り添わないメンタルトレーニングの違いを実感してくれています。

 

これらのメソッドとの一番の違いは、『自分が見たくない部分』をしっかり直視する、ということです。現代のほぼすべてのメンタル系メソッドは、「あなたはそのままでいい」「ポジティブに考えよう」「周りと比較しなくても良い」などのように、自分は悪くないから変わらなくても大丈夫、という方向性で話が進みます。

 

しかしこれは、話を聞いてもらっているときは安心するかもしれませんが、現実は何も変わりません。なぜなら自分も変わっていないし、目の前で起きている事実にも向き合っていないからです。

 

そうではなく、目の前の事実を真摯に見つめ、自分が作り上げてきた現実に向き合う。

これこそが陰極まる、ということになり自分が変わっていくための第一歩であり、目の前の現実が変わっていくための第一歩となるのです。

 

このように自分がこれまでに積み重ねてきた『無自覚の嘘』を直視するためには、トラウマと呼ばれる心の問題と、ジレンマと呼ばれる心の矛盾を知る必要があります。

過去のトラウマとジレンマ

トラウマ、と言うと一般的には『嫌だった記憶』『怖かった記憶』のように理解されていると思いますが、実際のクライアントの方々を見ているとそうではないことに気付きます。

 

本当にその人の精神面に影響を与えているような出来事は、ほとんど覚えていることはありません。それは先ほどの深層心理と表層心理の関係性を思い出してもらえるとわかりやすいかもしれません。

 

私たちの脳はいつも五感から入ってくる大量の情報を処理しています。当然その過程では『必要ない』と判断された情報を受け取らない選択も無意識になされているのです。

 

例えば視覚なら、今この文章を読んでいるあなたの目にはパソコンやスマホ以外にもその周りにある景色がたくさん『視界には入っている』はずです。しかし今この文章を読むまではその周りの景色は認識していなかったのではないでしょうか。つまり、見えてはいたけど見ないという選択をしていたのです。

 

これと同じことが聴覚でも嗅覚でも味覚でも触覚でも起こります。

 

さて、それでは『記憶』という観点で考えてみるとどうでしょうか。本当にトラウマとなるようなショックな出来事を『覚えておく』という選択をするでしょうか。

結論は、記憶から消すという選択をします。

 

覚えていたら自分が苦しむことをわかっているからなのか、脳は不思議と自分がそれを覚えていてはしんどくなる出来事は忘れるようになっているのです。

 

忘れているだけならまだしも、その出来事にリベンジするかのように『今の現実』でも同じことを何度も繰り返そうとしてしまいます。

 

そしてジレンマとは、2つの矛盾した想いのことであり、好きの裏にある嫌いであり、嫌いの裏にある好き、という誰しもが持つ感情の矛盾のことです。

 

例えば、小学生の男の子が好きな女子に意地悪してしまう、というのも一種のジレンマです。

「好き」だけど、恥ずかしいから「嫌い」なふりをして意地悪する。

 

この男の子の例では、本人が好きという気持ちを自覚していることもあれば、していないこともあります。

しかし、心のトラウマにおけるジレンマではほぼ間違いなく本人は『自覚していません』。

 

DVばかりで「大嫌い」な父親に裏にある「認められたい、愛されたい」という気持ち。

認められたい、愛されたいと思っているからこそ、それが叶わないことに納得するために「大嫌い」だと思おうとしている。

 

いつも慰めてくれた「大好き」な母親の裏にある「頼りにならない、わかってない」という気持ち。

本当は慰めてほしいんじゃなくていじめから守ってほしかった。でもそれは叶わなかったから、自分のことを考えてくれているということに納得するために大好きだと「思おう」としている。

 

そんな想いは本人が一番認めたくないもの。

だけど、認めたくないと想えば思うほど抑圧され、自分では絶対に自覚できなくなり、そして現実世界に『悩み』として表れる。

 

DVを受けた大嫌いな父親に対して、絶対こんな親にはならない、と心に決めたはずなのに自分が親になったら子どもに対して暴力的な言葉を浴びせてしまっている。

それは、大嫌いの裏にある大好きというジレンマが抑圧された結果。

だからいくら表層心理で「あんな親になりたくない」と思っても深層心理が大好きな父親のようになろうとしている。

 

これは普通の感覚では絶対に認めたくないものです。拒否したいものです。

実際に寄り添わないメンタルトレーニングをしているクライアントの方々でも、最初はとにかく拒否反応が強くでてしまう方も少なくありません。

 

でもそれは、『図星』だからこそ拒否反応が起こるのです。

 

もし仮に、本当に1ミリもそんな想いがなかったら、拒否反応は起こりません。

学校で1番成績が良い人に「バカだね」と言っても何にも傷つきませんよね?

でも上位にはいるけどコンプレックスがある人に「バカだね」と言うと、「バカじゃないし!」と反論したりイラっとしたりします。

 

それは心の奥では、バカだねと言われることが嫌だからです。

学校で1番成績が良いとわかっている人は、バカだねと言われたところで、バカだとは心でも全く思っていないから、全然響きません。つまりイラっともしません。

 

これと同じなのです。

 

つまり、あなたが他人から何かを言われてイラっとしたなら、あなたの中でそう思いたくないけどそうなっている自分がいることを知っているのです。

 

拒否反応が起こっている自分は図星の自分。

まずはこれだけでも知っておくと、自分の深層心理を探っていくときにヒントになります。

 

そしてこのジレンマによって、私たちは『偽りの自分』を作り上げます。

 

作り上げた偽りの自分

偽りの自分とは、専門用語ではアダルトチルドレンやインナーチャイルドなどと呼ばれる自分を守るために作り上げた自分の仮面像です。

 

本当は自分が好きなことを思う存分やりたいのに、そうすると母親に怒られるという経験をした子どもは、『私は自分がやりたいことをしちゃいけない、いつもお母さんの顔色を伺って怒られない選択をしないといけない』と思うようになります。

 

この子が大人になると、

・いつも相手の気持ちばかり優先して自分が本当は何をしたいのかわからない

・自分がないと感じる

・いつも上司の顔色を伺ってビクビクしている

・優しさとは自己犠牲の上に成り立つものだと思う

・人に気が遣えない人が信じられない

・自分勝手な人にイラっとする

 

などの悩みを抱えることが多くなります。

 

それは、母親に対して『ありのままの自分』では好かれないことを知った子どもが、『母に好かれる自分』を作り上げたからなのです。

 

本当は無理して相手のことばかり優先して苦しみたくない、でも深層心理ではそうしないと自分は愛されないと感じている。

 

だから大人になっても相手の顔色を見て、自分がやりたいことは後回しにして、とにかく怒られないことを最優先に自分の言動を決めてしまっている。

 

これは、幼少期に家族に対して感じていた感情やそれを満たすためにした行動を、学校や職場、新たな家庭内で繰り返しているのです。

 

これが『深層心理は繰り返す』という現象です。

 

そしてなぜ同じ状況を繰り返してしまうかというと、『偽りの自分』が満たされなかった欲求を取り戻そうと無意識に行動を選択してしまっているからです。

 

例えば厳しい母親の下で育った子どもが、「私はちゃんとしてなきゃいけないし、周りに気を遣える女性にならないといけない」と幼少期に感じた場合を考えてみましょう。

 

この子は幼少期には母親に怒られないように、自分がどうしたいかよりも母親がどんなことで怒るのかばかり気にするようになります。

 

いつも母親の顔色が気になり、自分がしたいことは押し殺してばかり。

そうして母親のことが「嫌い」と感じるようになっていきます。

 

小学生のころはすごく周りに気が遣えてえらいですねと先生から褒められて、中学高校でも友達も多い。

でもなぜかいつも心が満たされない感じがしていた。

部活では顧問の先生がすごく怖い人だったけどなんとか必死についていった。

 

実家から通える職場に就職すると、上司が怖い女性でプレッシャーを毎日感じるようになってしまった。

何をしても怒られる気がする、何かを達成しても褒められないだろうな、などの不安を抱えるようになってしまいました。

 

これは深層心理的に分析すると、幼少期に感じていた母親に対する不安を学校や職場でも繰り返しているのではないか、と推測します。

 

なぜなら、母親、部活の顧問、そして上司といつでも怖い女性がこの方の人生には登場して、その人に対して恐怖の感情を抱きつつも自ら離れるような行動を『とっていない』からです。

 

実家から出たら母親から離れられるのにそうはしない。

部活を変えたら怖い顧問から離れられるのにそうはしない。

転職すれば怖い上司から離れられるのにそうはしない。

 

事実だけをみたら、まるで『怖い年上女性がいつも上にいてほしい』ようにみえませんか?

 

これを深層心理的には『母親のことが好き』だったと捉えるのです。

 

本人は嫌いだったと思っていますが、深層心理的には好き。

これが先ほど出てきたジレンマになります。

 

そして深層心理で好きな母親のような人が常に自分の人生に現れてくれるように行動や言動を無意識に選択しています。

 

そうして、深層心理が望んだとおり(母親のような厳しい人に認められたい)の現実を作っている、ということになります。

しかし、結果的には自分のことを認めてくれない人を選んでいるので、幼少期と同じように『自分が苦しむ』という結果を繰り返してしまいます。

 

こうして幼少期に作り上げた偽りの自分は、無意識に自分が苦しかったこと、嫌だったことを、場所を変えて相手を変えて繰り返します。

 

この繰り返しを止めるためにまず必要なことは、『自分が』繰り返そうとしているのだと認めることです。

 

・私はそんなこと想ってない

・相手が私をいじめてくるからしょうがない

・仕事ができない部下が悪いんでしょ

 

そんな風に、今のあなたの悩みの原因を自分以外の人のせいにしているうちは、ずっと繰り返します。

きっと転職して職場を変えても、結婚して仕事を辞めても、何回引っ越しても、また繰り返します。

 

なぜならあなたの深層心理が『それを望んでいるから』。

そして深層心理は、『自分では絶対に自覚できない』心の動きです。

 

あなたが納得するようなことではありません。

とても嫌な気持ちになることです。受け入れがたいことです。

でもそれを受け入れない限りは、あなたの人生を変えることはできません。

 

事実だけを並べたときに見えてくるあなたの深層心理。

それを受け入れ、一度落ち込み切ってはじめて、その深層心理を手放す準備が整ったと言えます。

 

どうやって手放すか

では、どうやって幼少期から作り上げてきた深層心理を手放せばよいのでしょうか。

 

最も大事なことは、『幼少期のジレンマを認めること』です。

 

怖くて嫌いだった父親に対する、愛されたい、寂しいという想い。

好きだった母親に対する、諦めや見下すような想い。

 

好きの裏にある嫌いも、嫌いの裏にある好きも、しっかり受け入れて認める。

 

そしてそれを言葉にすること。

頭で理解していても、いざ言葉にしようとすると、それが直接親に向けて話しているわけではないにもかかわらず、抵抗がすごく強く出る人が多いです。

 

これは心が納得できていないからであり、親を悪者にすることに対する罪悪感が強い証。

その葛藤を乗り越えるときに心が親のジレンマから解放されていきます。

 

寄り添わないメンタルトレーニングの3回セッションでは、『出さない手紙』を書くワークがあります。

 

実際に親に書くように、幼少期のジレンマを書いてもらい、そのときの自分がどれだけ苦しんでいて、嫌な想いをしていて、それが今も影響を与えている。

だから私は、あなたにこんな風に接してほしかったし、こんな親子でありたかった。

と我々トレーナーを親に見立てて伝えてもらいます。

 

このワークが終わったあたりから、クライアントの方々の表情が変わってきます。

なんだかスッキリしました、心が軽くなりました、という感想をいただくことが多いです。

 

そのくらい、言葉に出すこと、ジレンマを認めることは心に対する影響があるのです。

 

ここでは、親をかばうような言葉は一切禁止としています。

例えば、

・私が頭が悪かったからしょうがないけど、

・私が理解できてなかったんだけど、

・今となってはお母さんの気持ちもわかるけど、

 

などのように、親があなたにそのような行動をしたことが、

『しょうがなかった』としてはいけません。

 

この言葉は、『だからあの出来事はしょうがない』とあきらめていることと同義です。

 

それはつまりあなたは幼少期のジレンマを認めていないことになるのです。

 

だからとにかく親を100%悪者にする。

それが深層心理を手放すときに何よりも大切なことになります。

 

自分がトラウマとなった出来事はあなたのせいです、と言うことは、

親の存在そのものを100%否定するものではありません。

 

ただ、あなたのこの部分だけは許せなかったんです、と伝えることです。

それによって親のことを嫌いになるわけでもありません。

 

むしろこのワークをした後の感想で、

「本当の意味で親のことが愛しくなりました」

「親を悪者にしたらむしろ素直に向き合えるようになりました」

「初めて自信を持って親のことを愛してると言えます」

という声をたくさんいただきます。

 

それはきっと、嘘偽りのない自分の心に気付いた瞬間なのだと思います。

 

さて、そうして幼少期から作り上げてきた偽りの自分を手放したあとに残る自分とはなんなのでしょうか。

 

本当の自分とは何か

生まれた瞬間から持つ自分。

それを本当の自分と呼ぶのかどうかはわかりませんが、生まれ持った特性、のようなものは確かにあると我々は考えています。

 

近年の大規模データを用いた研究でも、誕生月ごとに疾患のなりやすさに偏りがあることも報告されていますし、遺伝学では説明できない性格の偏りも報告されています。

 

そして世界中のあらゆる文明で、生年月日を個人の特徴を把握するために利用してきたという事実もあります。

 

ホロスコープや算命学、九星気学、数秘術など、複数の占星術も活用しながら生まれ持った自分の特性を考えていきます。

 

ここまで明らかにしてきた『偽りの自分』と『生まれ持つ自分』。

どちらも自分で、これからの人生を楽しく生きるヒントがある。

 

そのように考え、寄り添わないメンタルトレーニングでは3回コースの最後のセッションで、幼少期に作り上げた偽りの自分と、生まれ持った自分とを足し合わせた、あなたにしかない武器を探しにいくワークも行います。

 

どこまでも事実だけを見て、認めたくない自分を直視して、認めた先にある生まれ持った自分を活かす。

 

これはどちらも必要で、どちらかだけでは不十分。

 

ただ過去を見つめなおすだけでは自分に失望して終わる。

ただ占星術を見るだけでは今の自分との矛盾に気付けない。

 

とにかく現状のあらゆる分野の良い部分も悪い部分も見直して、目の前の事実を変えるために必要なものだけを選び抜いて生まれたのが寄り添わないメンタルトレーニングです。

 

だからただ励ますこともなければ、いじめて終わりでもありません。

 

とにかく現実を変えたいと強く願う人のための、

『今を変える』方法です。

 

もしあなたが、どうしても何かを変えたい、今のままじゃ自分の人生が何なのかわからない、と感じているのならきっと力になれます。

 

心の構造を知り、自分の心が作られてきた理由を知れば、きっと今のあなたの悩みの正体が見えてきます。

知らない自分を知ることは怖いかもしれません。

それでも、今の自分に必要だと感じたなら、ぜひ変わる第一歩を踏み出してください。

 

変わる決意を決めたあなたからのご連絡をお待ちしています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

株式会社syn 代表取締役

平山鷹也

この記事を書いた人

株式会社syn
代表 平山鷹也

横浜在住。
スポーツトレーナーとしてプロアスリートの「心」に向き合い続け、結果を出すためのメンタルトレーニングを一般の方向けにも展開。 理学療法士でもありNLP Practitionerでもある心と身体の専門家。 自分自身の家族の問題、心の問題を5年以上かけて克服し現在はスポーツトレーナーとしてだけでなく、全国の「人には言えない悩み」を持つ多くの人たちのために精力的に活動中。 満足度90%以上を誇る独自の「寄り添わないメンタルトレーニング」を中心に、心のパーソナルトレーニングをしています。